Meta Quest 2とQuest Proは2028年以降も使える? 止まるのはゲームごと。買い替えるならQuest 3SかVR Glassesか
Metaは11月3日、Quest 2とQuest Proへの新機能の配信を2027年3月のHorizon OS v2.13で終え、セキュリティ更新を2027年12月で終えると発表した。Metaは購入済みのゲームやストアを維持するとしているが、個々のゲームがいつまで遊べるかは開発元の対応による。初代Questで実際に起きたこととの違い、セキュリティ更新が切れたあとに気をつけること、買い替え先のQuest 3S・Quest 3・VR Glassesのサポート期間と価格を整理する。
Metaは11月3日、VRヘッドセットのMeta Quest 2とMeta Quest Proについて、OSの新機能の配信を2027年3月までに配る「Horizon OS v2.13」で終えると発表した。セキュリティ更新と重大な不具合の修正は、2027年12月まで続く。
Quest 2は2020年10月の発売から6年がたつが、いまも家族用やフィットネス用、PCのVRゲーム用に使っている人は多いと思う。この記事では、2028年以降に何が使えなくなるのか、初代Questのサポート終了で実際に何が起きたのか、買い替えるならどれを選ぶのかを、Metaの公式情報から整理する。
※2026年11月3日時点のMetaのヘルプ、開発者向けの案内、Metaストアの価格にもとづく。
先に結論
Quest 2とQuest Proは、2028年以降も使い続けられる。 Metaは、購入済みのゲーム、ストアでの購入やダウンロード、Quest 3/3Sとのクロスプレイ、ボイスチャットやメッセージ、PCのVRゲームを遊ぶ機能を維持する方針だ。いま急いで買い替える必要はない。
ただし、個々のゲームが将来も遊べるかは、開発元の対応やオンラインサービスが続くかどうかによる。 Metaが維持するとしているのは端末とストアの仕組みで、それぞれのゲームの提供まで約束しているわけではない。Metaのルールでは、開発元がQuest 2/Proへの対応をやめて、利用者がコンテンツや重要なサービスを使えなくなる場合に、180日前までの通知が必要になる。新しいアップデートの配信をやめるだけで、手元の版が引き続き動く場合は、この通知の対象にならない。毎日遊んでいるゲームがあるなら、そのゲームのお知らせを気にしておくのが確実だ。
2028年以降は、Quest 2/Proのブラウザで大事なアカウントにログインしないほうがいい。 これはMetaが禁止や制限をしたものではなく、セキュリティ更新が終わったあとのリスクをふまえた、この記事としてのおすすめだ。更新が止まると、あとから見つかった弱点はふさがれない。初代Questのときに、Meta自身が「端末内や端末からアクセスできる個人データが危険にさらされる可能性がある」と利用者に伝えている。
買い替えるなら、何を重視するかでQuest 3Sと3を選び分ける。 費用を抑えてVRゲームを楽しみたいならQuest 3S(59,400円から)、画面の見やすさや、映画、作業、長い時間の利用を重視するならQuest 3(102,300円)が合う。価格差は42,900円で、その差の多くはレンズの違いだ。VR Glassesは軽さと映像の見やすさを優先した製品で、米国で1,299.99ドルと価格帯が違う。
何が発表された?
発表された予定を時系列で並べると、次のようになる。
| 時期 | Quest 2とQuest Proで起きること |
|---|---|
| 2027年1月〜3月 | 最後の機能アップデート「Horizon OS v2.13」が全端末に配られる。以降の新機能はQuest 3、3S、それ以降の機種だけ |
| 2027年12月まで | セキュリティ更新と重大な不具合の修正が続く |
| 2027年12月 | Quest 2/Pro向けの新作アプリの受け付けが終わる |
| 2028年以降 | 端末も購入済みのアプリも使える。ストアでの購入もできる |
日本語のヘルプには「その日以降もヘッドセットは引き続きご利用いただけます」「今後もストアで購入はできます」と書かれている。
開発者向けの案内では、最後のOSを「Horizon OS v2.13」、アプリ開発に使う最後のSDKを「Meta VR OS SDK v213」と表記している。以下、v2.13はOSの版を指す。この案内では、v2.13のあとも続くものがもう少し具体的に挙がっている。
- 発売済みのアプリとゲーム(1人用とマルチプレイの両方)
- Quest 2、Quest Pro、Quest 3、Quest 3Sのあいだのクロスプレイ
- ストアの閲覧、購入、ダウンロード、購入済みコンテンツへのアクセス
- Metaのアバター、PCのVRゲームを遊ぶ機能
- ボイスチャット、メッセージ、オンライン状態の表示
- ブラウザやストアなど、v2.13の時点で入っているシステムアプリ
遊べなくなるのは「ゲームごと」
Metaは開発者に、Quest 2/Proへの対応について3つの選び方を示している。
- すべての機種で同じ版を配り続ける(Horizon OS v2.13より新しいOSの機能や、SDK v213より新しいSDKの機能は使えない)
- Quest 2/Pro向けとQuest 3/3S向けで版を分ける
- Quest 2/Proへの対応をやめる
3つ目を選んで、利用者がコンテンツや重要なサービスを使えなくなる場合は、180日前までに知らせる必要がある。新しいアップデートをQuest 2/Proに配らなくなるだけで、手元の版が動き続ける場合は、この通知の対象ではない。つまり、手持ちのゲームがいつまで遊べるかは、Metaの2027年12月という日付とは別に、ゲームごとに決まる。
とくに影響を受けやすいのは、オンライン対戦や、更新を続けて新しい内容を追加していくタイプのゲームだ。オンラインのサービスそのものを終了する場合は、Quest 2/Proかどうかに関係なく遊べなくなる。開発者が新しい機能を使いたくなったとき、Quest 2/Proでは使えないので、版を分けるか対応をやめるかの判断を迫られる。1人で遊ぶ買い切りのゲームは、更新が止まっても、手元の版がそのまま動き続ける可能性が高い。
日本で利用者の多いVRChatは、11月3日時点の対応機種の案内で「Meta Quest 2以降」を対象にしていて、Quest 2への対応をやめるという発表はない。
初代Questのときは何が起きたか
Metaは2023年1月に、初代Questのサポート縮小を発表している。そのときの流れは次のとおりだ。
| 時期 | 初代Questで起きたこと |
|---|---|
| 2023年1月 | 新機能の配信終了を発表(最後のOSはv50) |
| 2023年3月5日 | パーティの作成・参加と、Horizonホームに人を招く機能が使えなくなった |
| 2024年4月30日 | 新しく作られたアプリは、初代Questに対応できなくなった |
| 2024年8月31日 | セキュリティ更新と不具合の修正が終了 |
| 2025年 | 発売済みのアプリも、更新で初代Questに対応できなくなった |
今回のQuest 2/Proの扱いは、初代Questより手厚い。初代Questでは発表から2か月でパーティ機能が使えなくなったが、今回はボイスチャットやクロスプレイが続くと明記されている。新作アプリの受け付けも、初代Questではセキュリティ更新の終了より4か月早く止まったが、今回はセキュリティ更新の終了と同じ2027年12月まで続く。
初代Questでは、セキュリティ更新が終わったあとの2025年に、発売済みのアプリでも更新で初代Questに対応できなくなった。開発者が対応を続けたくても、ストアの仕組みとしてできなくなった形だ。一方、Quest 2/ProについてMetaは、既存のアプリの更新を続けられるとしており、終了の期限は示していない。将来同じ制限が設けられるかは分からない。
セキュリティ更新が切れたら何に気をつける?
Metaは、初代Questのセキュリティ更新を終えるとき、利用者へのメールで「今後セキュリティの脆弱性が見つかった場合、端末に保存された個人データや、端末からアクセスできる個人データが危険にさらされる可能性がある」と伝えている(Road to VRが全文を掲載)。
Questには、Metaのアカウントや、ストアで使う支払い方法がひもづいている。ブラウザでほかのサービスにログインしている人もいるはずだ。
Metaは、セキュリティ更新が終わったあとの使い方について、禁止や制限を発表していない。ここからはこの記事としてのおすすめになるが、2028年以降もQuest 2/Proを使い続けるなら、次のように使い方を絞っておくと安心できる。
- 端末内のブラウザで、銀行やメールなど大事なアカウントにログインしない
- 遊ぶのはストアで買ったゲームにとどめ、出どころの分からないアプリを入れない
- 手放すときは、Metaアカウントとの連携を外して初期化する
買い替えるならどれ?
買い替え先の候補を、日本の価格、レンズ、Metaが約束しているセキュリティ更新の期間で並べる。
| 機種 | 価格(税込) | レンズ | 視野(水平) | セキュリティ更新の約束 |
|---|---|---|---|---|
| Quest 3S(128GB) | 59,400円 | フレネル | 96度 | 2029年10月15日まで |
| Quest 3S(256GB) | 77,000円 | フレネル | 96度 | 2029年10月15日まで |
| Quest 3(512GB) | 102,300円 | パンケーキ | 110度 | 2028年10月10日まで |
| VR Glasses | 日本価格は未発表(米国1,299.99ドル) | パンケーキ | 70度 | 一覧に未掲載 |
価格は2026年4月19日に改定されたMetaストアの価格、視野は開発者向けの機種比較、セキュリティ更新の期間はMetaのサポート期間の一覧にもとづく。
Quest 3Sと3は、同じチップで同じゲームが動く。違いはおもにレンズと画面だ。 Quest 3Sは、Quest 2と同じ種類のフレネルレンズを使っている。Quest 3は、薄くて歪みの少ないパンケーキレンズと、より高い解像度の画面を使っている。Quest 3のほうが文字が読みやすく、視線をレンズの端に動かしたときもぼやけにくい。
- Quest 3Sが合う人: 費用を抑えてVRゲームを楽しみたい人。Quest 2からの買い替えでも、処理性能とカラーのパススルーで違いを感じられる。
- Quest 3が合う人: 画面の見やすさ、映画、PCの画面を映した作業、長い時間の利用を重視する人。42,900円の差は、おもにこの見やすさの差になる。
補足として、セキュリティ更新の約束は、安いQuest 3Sのほうが1年長い。Metaは「米国で最初に発売されてから少なくとも5年」を約束にしていて、2023年発売のQuest 3は2028年10月まで、2024年発売のQuest 3Sは2029年10月までになる。ただし、これは最低限の約束だ。Quest 2は2020年発売で、5年なら2025年までのところ、実際には2027年12月まで約7年続いた。この1年の差だけで、どちらが長く使えるかは決められない。
VR Glassesは、Quest 2の後継というより別の製品だ。 Metaが9月に発表したメガネ型の機種で、2027年春に発売される。顔に載る部分は約100gと軽く、映画や作業の画面を見やすくすることに力を入れている。Questのアプリも動くが、視野はQuest 3の110度に対して70度と狭く、コントローラーは付属しない(Touch Plusコントローラーを別に買えば使える)。ゲームを中心に遊ぶなら、価格も含めてQuest 3Sや3のほうが合う。
Quest Proを使っている人は
Quest Proには、目の動きと顔の表情を読み取る機能がある。VRChatで表情をアバターに反映させるために使っている人もいるはずだ。
Metaの開発者向けの機種比較によると、Quest 3と3Sには目の動きを追う機能も顔の表情を読む機能もない。VR Glassesは目の動きを追えるが、アプリが使えるカメラでの顔の表情の読み取りはない。つまり、Quest Proの顔の表情の読み取りを引き継げる機種は、Metaのラインアップには今のところない。この機能を使っているなら、Quest Proを使い続けられるあいだは使い続け、買い替えではほかのメーカーの機種も含めて探すことになる。
つまり誰に向いている?
-
Quest 2でフィットネスやBeat Saberなどを遊んでいる人
2027年12月まではそのまま使ってよい。そのあとも、遊んでいるゲームが対応を続けるあいだは使える。買い替えは、遊んでいるゲームから対応終了のお知らせが来たときでも間に合う。 -
Quest 2をPCのVRゲーム用の画面として使っている人
MetaはPCのVRゲームを遊ぶ機能も続くとしている。ゲーム自体はPC側で動くので、ストアのアプリの対応終了の影響は受けにくい。ただし、PC側のソフトがいつまでQuest 2に対応するかは示されていない。 -
これから中古のQuest 2を買おうとしている人
セキュリティ更新は残り約13か月だ。子どもが試しに遊ぶ用など、短い期間と割り切るのでなければ、セキュリティ更新が2028年以降も続くQuest 3Sや3の新品を選んだほうがいい。 -
2027年に買い替えるつもりの人
ゲーム目的なら、VR Glassesを待つ理由はあまりない。映画や作業に使いたくて、米国価格を円にすると約20万円になる価格でも軽さを優先したいなら、VR Glassesの日本価格の発表を待つ。 -
Quest Proで顔の表情の読み取りを使っている人
Metaの機種では引き継げない。使えるあいだはQuest Proを使い続けるのが現実的だ。
現時点で分からないこと
- Horizon OS v2.13にどんな機能が入るか。Metaは中身を発表していない
- Quest 2/Pro向けに、発売済みのアプリの更新がいつまで認められるか。開発者向けの案内には「既存アプリの更新は続けられる」とだけあり、期限は書かれていない
- 個々のゲームが、いつまでQuest 2/Proに対応するか。VRChatを含め、11月3日時点で対応終了を発表したゲームは確認できていない
- VR Glassesの日本での価格と発売日
- Quest 3と3Sのセキュリティ更新が、約束の期間より延びるか
出典
一次情報
- Meta Quest 2とMeta Quest Proに関する変更 - Metaヘルプ(v2.13が最後の機能アップデートであること、2027年12月までのセキュリティ更新、購入済みアプリとストアの扱い)
- Support Meta Quest 2 and Meta Quest Pro after Horizon OS v2.13 - Meta for Developers(最後のOSがHorizon OS v2.13、最後のSDKがMeta VR OS SDK v213であること、v2.13のあとも続く機能、既存アプリの更新を続けられること、新作アプリの受け付け期限、開発者の3つの選び方、180日前の通知の条件)
- Security updates on Meta devices - Meta Help Center(機種ごとのセキュリティ更新の期間)
- 「Meta Quest」価格改定のお知らせ - Meta(2026年4月19日からのQuest 3と3Sの価格)
- Introducing Meta VR Glasses - Meta(VR Glassesの発売時期、パンケーキレンズなどの特徴)
- Compare devices - Meta for Developers(VR Glassesの視野と目の動きの追跡、顔の表情の読み取りの有無)
- Horizon OS immersive features - Meta for Developers(目の動きの追跡に対応するのはQuest Proで、Quest 3と3Sにはないこと)
- Upcoming Changes to Quest 1 - Meta for Developers(初代Questのサポート縮小の内容)
- Platforms - VRChat Creation(VRChatの対応機種)
報道
- Meta Quest 3とは?何ができるか・スペック・価格と3Sとの違い【2026年10月】- issoh(Quest 3と3Sのレンズ、解像度、視野の違い)
- Meta Quest 3, Quest 2, Proを徹底比較! - Qiita(Quest 2のレンズとパススルー)
- Meta Quest 2/Pro、新機能追加は2027年3月で終了 セキュリティ更新は27年末まで - CNET Japan
- Meta will end Quest 2 OS updates in 2027 - The Verge
- Meta is Pulling the Plug on Quest 1 Security Patches Next Month - Road to VR(初代Questの利用者に送られたメールの全文)
- New Store Apps Won’t Be Allowed To Support Oculus Quest 1 - UploadVR(2024年4月30日以降の新作アプリの扱い)
- Developers Can No Longer Support Quest 1 In Store App Updates - UploadVR(発売済みアプリの更新でも初代Questに対応できなくなったこと)
- 本体約100gのVR端末「Meta VR Glasses」発表 27年春発売 - ケータイ Watch(米国価格、日本価格が未定であること、Questアプリへの対応)