判断・比較

Spotifyファミリーの同居確認がQRコードに。下宿や単身赴任の家族は、どのプランに分ければいい?

Spotifyが一部のPremium Familyメンバーに、主契約者と同じ場所でQRコードを読み取る同居確認を求め始めた。7日以内に済ませないと、12か月はほかのFamilyやDuoに入れない。離れて暮らすのが大学生ならDuoとStudentに分けても月180円の増加で済むこと、学生でない家族が離れているならAmazon Musicなど同居を条件にしていないサービスも候補になること、プラン変更が12か月に1回に限られる点を、各社の規約と料金から整理する。

Spotifyが、Premium Familyの一部のメンバーに「主契約者と一緒に住んでいるか」をQRコードで確かめるよう求め始めた。10月19日に海外のメディアが利用者の報告をもとに報じ、日本語のヘルプにも同じ手順が載っている。

Premium Familyは月額1880円で最大6人が使えるので、実家を出た子どもや単身赴任中の家族をそのまま入れている家庭もあると思う。この記事では、確認の通知が来たら何が起きるのか、離れて暮らす家族がいる場合にどのプランへ分ければいいのかを、Spotifyとほかの音楽サービスの規約と料金から整理する。

※料金と規約は、2026年10月21日時点の各社の公式サイトとヘルプにもとづく。

先に結論

同居している家族なら、通知から7日以内に同じ場所でQRコード認証を行う。 2人とも最新版のSpotifyアプリを入れ、主契約者のスマホに出したQRコードをメンバーのスマホで読み取る。

離れて暮らす家族がいるなら、QRコードを通すことより、プランを分けることを考える。 SpotifyのFamilyとDuoは、どちらも同じ住所に住んでいることが利用の条件だ。

  • 離れて暮らすのが大学生なら、Spotifyのまま分けても負担はほとんど変わらない。 同居の2人+下宿の大学生1人なら、Duo(1480円)とStudent(580円)で月2060円になり、Family 1つのときより月180円の増加で済む。
  • 学生でない家族が離れて暮らしているなら、Spotifyで分けると月680〜1080円増える。 その場合は、同居を条件にしていないサービスに家族ごと移ることも候補になる。Amazon Music Standardのファミリープランは、公式のプランページで月1680円と案内されていて、Spotify Familyより200円安い。料金は申し込む画面で確かめたい。
  • YouTube Musicへ移っても解決しない。 YouTubeのファミリープランも同じ住所が条件で、30日ごとに確認がある。

通知を放っておいたり、確認に失敗したりすると、そのメンバーは12か月間、元のプラン以外のFamilyやDuoに入れなくなる。また、Familyのメンバーがプランを変更できるのは12か月ごとに1回だけだ。離れて暮らす家族がいる場合は、認証の期限を待たずに、Spotifyのプラン変更の条件を確かめ、別のプランへ移ることを考えたい。

何が始まった?

Spotifyの日本語のヘルプ「Premium Familyプランの住所と認証」に、「QRコード認証」という項目がある。一部のメンバーに通知が届き、主契約者と同居していることをQRコードで確かめるよう求められる。

手順は次のとおり。

  1. 主契約者が、自分のスマホのSpotifyアプリで、プロフィール画像、[お使いのPremiumプラン]、[管理]の順にタップしてQRコードを開く
  2. メンバーが、自分のスマホのカメラでそのQRコードを読み取る
  3. 主契約者とメンバーが同じ場所にいる状態で読み取る

確認はモバイルアプリでしかできず、2人とも最新版のアプリが必要だ。QRコードは数秒ごとに変わるので、スクリーンショットを送っても通らない。うまくいかないときは、アプリの更新、2台の日付と時刻の設定の確認、アプリの再起動を試すようヘルプは案内している。

期限は、通知を受け取ってから7日間だ。期限を過ぎたり確認できなかったりしたメンバーは、元のプラン以外のFamilyやDuoに12か月間入れなくなる。StandardやStudentなど、ほかのプランを自分で選ぶことはできる。

住所を入力する従来の再認証のほうは、失敗すると無料プランに切り替わるとヘルプに書かれている。QRコードの場合も無料プランに戻されたという報告が海外のメディアで伝えられている。アカウントが消えるわけではないが、Premiumの機能は使えなくなる。

通知はメンバー全員に一斉に届くわけではなく、Spotifyは「一部のメンバー」としか書いていない。誰に届くのか、どういう条件で選ばれるのかは公表されていない。

そもそも同居はFamilyとDuoの条件

QRコードは新しい仕組みだが、条件そのものは前から変わっていない。日本向けのPremium Family利用規約は、主契約者とメンバーが「同一の住所に居住する家族」であることを条件にしている。Spotifyはこれまでも、参加するときや主契約者が住所を変えたときに住所の入力を求めていた。

2人用のPremium Duo(1480円)も「一緒に住むカップル向け」のプランで、参加するときに同じ住所の入力を求められる。Familyから外れた2人がDuoに移っても、離れて暮らしているならDuoの条件も満たさない。

海外では、ビデオ通話の画面越しにQRコードを読み取って通ったという投稿もある。ただ、読み取れなかった、エラーになったという投稿もあり、結果は分かれている。仮に通ったとしても、規約に合わない状態で使い続けることになる。次の確認で止まれば12か月の制限がかかるので、この記事ではすすめない。

離れて暮らす家族がいる場合、Spotifyのまま分けるといくら?

Spotifyの日本の月額は、Standardが1080円、Studentが580円、Duoが1480円、Familyが1880円だ。

今Family 1つにまとめている家族を、規約どおりに分けた場合の月額は次のようになる。

家族の状況 今(Family 1つ) 規約どおりに分けた場合 差額(月)
同居の2人+下宿の大学生1人 1880円 Duo 1480円+Student 580円=2060円 +180円
同居の3人以上+下宿の大学生1人 1880円 Family 1880円+Student 580円=2460円 +580円
同居の2人+単身赴任などで離れて暮らす1人 1880円 Duo 1480円+Standard 1080円=2560円 +680円
同居の3人以上+離れて暮らす1人 1880円 Family 1880円+Standard 1080円=2960円 +1080円

離れて暮らしているのが大学生なら、Studentに分けても増えるのは月180〜580円だ。特に同居の2人と下宿の1人という組み合わせでは、月180円、年2160円の差しかない。

Premium Studentは、対象の大学などに在籍している18歳以上の人が、最大4年間使える。在籍の確認はSheerIDという外部のサービスで行い、12か月ごとに確認し直す必要がある。SheerIDの一覧に学校名が出てこなければ、割引の対象にならない。

一方、離れて暮らしているのが学生でない家族なら、Standardに分けることになり、月680〜1080円増える。年にすると8160〜1万2960円だ。この場合は、次に紹介するサービスに家族ごと移ることも候補になる。

ただし、SpotifyのFamilyプランのヘルプには「プランメンバーがプランを変更できるのは、12ヶ月ごとに1回のみ」とある。FamilyからStudentやStandardへ移ることにこの制限がどう適用されるかは、この一文からは確定しない。直近12か月のうちにプランを変えている人は、すぐには移れない可能性がある。

同居を条件にしていないサービス

日本で使える主な音楽サービスのファミリープランを、誰が入れるかで並べるとこうなる。

サービス ファミリーの月額 誰が入れるか(規約・ヘルプの書き方)
Spotify Premium Family 1880円 同じ住所に住む家族。住所の入力とQRコードで確認
YouTube Premium/Music Premium (同居が条件のため比較しない) 管理者と同じ住所に住むメンバー。30日ごとに電子チェックインで確認
Apple Music ファミリー 1980円 ファミリー共有のメンバー。全員のApple Accountの国・地域が同じであること
Amazon Music Unlimited ファミリー 1980円 家族で、主契約者と同じ国に住む人。メールで招待できるのは13歳以上
Amazon Music Standard ファミリー 1680円 同上
LINE MUSIC ファミリー 1680円(報道ベース) 代表者のLINEの友だち。公式に「家族だけでなく友だち同士でも登録でき」る

YouTubeのファミリープランは、Googleのヘルプに「すべてのファミリー メンバーがファミリー グループの管理者と同じ住所に住んでいる必要があります」とあり、確認のために30日ごとの電子チェックインが必要だと書かれている。確認できないと、そのメンバーのPremiumの特典が一時停止される。Spotifyから移っても、離れて暮らす家族の問題は解決しない。

Apple Musicのファミリープランは、Appleの「ファミリー共有」で家族と共有する仕組みだ。Appleのメディアサービス利用規約がファミリー共有の条件として書いているのは、全員の「本国」(Apple Accountに設定した国・地域)が同じことで、同じ住所に住むことは条件に入っていない。日本に住む家族どうしなら、離れて暮らしていても同じグループに入れる。

Amazon Musicのファミリープランは、Amazonのヘルプに、招待する人は主契約者と同じ国に住んでいる必要があると書かれている。日本語のFAQにある条件は、13歳以上であることと、通常のAmazonアカウントを持っていることだ。住所が同じであることは求めていない。

Amazon Musicのファミリープランには、UnlimitedとStandardの2種類がある。10月21日時点の公式のプランページでは、Unlimitedのファミリーが月額1980円、Standardのファミリーが月額1680円だ。

Amazonのプラン比較のヘルプを見ると、StandardとUnlimitedのどちらも、1億曲以上を広告なしで好きな順に再生でき、オフライン再生とスキップ無制限に対応する。音質も、どちらもHD、Ultra HD、空間オーディオ(Dolby Atmos、360 Reality Audio)まで使える。表の上で違うのは、Unlimitedだけが、対象のプランで契約者がオーディオブックを聴ける点だ。Standardのプランページにも、Audibleのオーディオブックを毎月1冊聴けるのはUnlimitedへのアップグレードで、と案内されている。ポッドキャストは、Standardが「広告なしのトップポッドキャスト」、Unlimitedが「1500万以上のエピソード」と書き方が違い、範囲に差があるかは比較表からは確定できない。音楽を聴くだけなら、確認できた範囲ではStandardで困る点は見当たらない。報道によると、Standardは2月4日に始まり、同じ日にUnlimitedのファミリーが1680円から1980円に値上げされた。Amazonの古いFAQや案内記事には値上げ前の1680円が残っているものがあるので、申し込むときは画面に出る料金で確かめたい。

LINE MUSICのファミリープランは、代表者がLINEの友だちを招待する仕組みで、家族であることも求めていない。友だちでも入れることは、公式の案内とヘルプで確かめられる。一方、料金を示す公式の料金表は今回確認できなかった。9月14日のプラン刷新を伝えたケータイWatchの料金表では、アプリから申し込む月額が1680円で、公式の案内にある「1人あたり280円〜」も、この額を6人で割った額と合う。申し込む前にアプリの画面で確かめたい。

AppleとAmazonが書いているのは「家族」までで、家族の範囲がどこまでかは規約からは読み取れない。友人どうしで使えると公式に書いているのは、この中ではLINE MUSICだけだ。

移る前に確かめたいこと

月額だけで決めると、あとで困る点がある。

  • 13歳未満の子どもがいるか。 Amazon Musicのファミリープランは、メールで招待できるのが13歳以上に限られる。SpotifyはFamilyの中でSpotify Kidsのアカウントを使え、Appleはファミリー共有で子ども用のApple Accountを作れる。
  • 支払い方法をどこまで共有するか。 AmazonのFAQには、「家族会員はお客様の会員登録に使用されているお支払い方法でAmazonでの購入が可能になりますのでご注意下さい」という注意書きがある。どの範囲の購入を指すのかはFAQからは読み取れないので、招待する前にAmazonの設定画面で確かめたい。Appleのファミリー共有では、家族の購入代金を管理者が払うのは「購入アイテムの共有」をオンにした場合だ。Appleのサポートページによると、この設定をオフにしても、Apple Musicなどのサブスクリプションは家族と共有できる。
  • グループを抜けたあとの制限。 Spotifyは確認に失敗すると12か月、元のプラン以外のFamilyやDuoに入れない。Familyのメンバーによるプランの変更も12か月ごとに1回までだ。YouTubeはファミリーグループを変えられるのが12か月に1回、Appleはほかのファミリー共有グループへの切り替えが年2回まで、LINE MUSICはファミリーを抜けてから3か月はほかのファミリーに入れない。
  • プレイリストや「お気に入り」は自動では移らない。 サービスを変えると、ライブラリやおすすめは新しいサービスで作り直しになる。家族のうち離れて暮らす1人だけが困っているなら、家族全員を動かすより、その1人をStudentやStandardに分けるほうが手間は少ない。

状況ごとの判断

今の状況 判断
Familyのメンバー全員が同居している 通知が来たら、7日以内に同じ場所でQRコード認証を行う
同居の2人と、下宿している大学生1人 Spotifyのまま、2人はDuo、大学生はStudentに分けるのが候補。増えるのは月180円。移る前にプラン変更の条件を確かめる
同居の家族と、単身赴任などで離れて暮らす1人(学生でない) Spotifyで分けると月680〜1080円増える。Amazon Music Standardのファミリー(公式のプランページで月1680円)に家族ごと移ることも候補になる
家族全員がiPhoneを使っていて、ファミリー共有をすでに使っている Apple Musicのファミリーが候補。月1980円で、Spotify Familyより100円高い
13歳未満の子どももメンバーにしたい Amazon Musicは招待できない。SpotifyのKidsか、Appleのファミリー共有を使う
友人どうしでFamilyを使っている SpotifyでもAppleやAmazonでも規約に合わない。友人どうしで入れると公式に書いているのはLINE MUSICだけ

現時点で分からないこと

  • 通知が届く条件。 Spotifyは「一部のメンバー」とだけ書いていて、どのメンバーに、どういう判定で通知が届くのかは公表していない。
  • 日本でどれくらい届いているか。 手順は日本語のヘルプに載っているが、日本の利用者にどの程度届いているかを示す発表はない。海外の報道も、Redditなどの利用者の報告がもとになっている。
  • 自分でFamilyを抜けた場合に、どの制限がかかるか。 Spotifyは、Familyのメンバーによるプランの変更を12か月ごとに1回に制限している。また、QRコード認証に失敗した場合には、元のプラン以外のFamilyやDuoへの加入に12か月の制限がある。自分で抜ける場合にどの制限が適用されるかは、変更する前にSpotifyに確かめたい。
  • LINE MUSICのファミリーの料金。 友だちを招待できることは公式に確かめられるが、月額1680円は報道の料金表にもとづく。
  • AppleとAmazonの「家族」の範囲。 どちらの規約も「家族」と書くだけで、親族の範囲などは定めていない。

結局どうする?

SpotifyのQRコード確認で困るのは、規約上もともとFamilyに入れなかった、離れて暮らす家族がいる家庭だ。QRコードを通す工夫をするより、プランを分けるほうが早い。

離れて暮らしているのが大学生なら、Spotifyのまま、同居の家族はDuoかFamilyに、大学生はStudentに分ける。2人と1人の組み合わせなら、増えるのは月180円だ。学生でない家族が離れて暮らしているなら、同居を条件にしていないサービスに家族ごと移ることも候補になる。Amazon Music Standardのファミリーは、公式のプランページで月1680円と案内されている。

どちらにしても、Spotifyにはプラン変更の回数の制限と、認証に失敗したときの12か月の制限がある。離れて暮らす家族がいる場合は、認証の期限を待たずに、Spotifyのプラン変更の条件を確かめ、別のプランへ移ることを家族と相談しておきたい。


出典

一次情報

報道

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